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新しい取り組みにトライする「TAILORED CAFE」が考えるTIMELIMITへの向き合い方のサムネイル

新しい取り組みにトライする「TAILORED CAFE」が考えるTIMELIMITへの向き合い方

「CHOOSEBASE SHIBUYA」に完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE SHIBUYA」をオープンした(株)カンカク代表の松本龍祐さんに聞く、この場所の価値と「TIMELIMIT」の意味。

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新しい取り組みにトライする「TAILORED CAFE」が考えるTIMELIMITへの向き合い方のサムネイル

「CHOOSEBASE SHIBUYA」に完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE SHIBUYA」をオープンした(株)カンカク。これまで完全キャッシュレスの仕組みや事前注文アプリの提供、月額定額制の導入など、カフェ業界における新しい挑戦を続けてきた同社ですが、この場所にどんな価値を感じているのでしょうか。また、初回のテーマに掲げる「TIMELIMIT」に対して、どんな考えを持っているのか。代表の松本龍祐さんにお話を伺いました。

(プロフィール)

松本龍祐:株式会社カンカク 代表取締役。2006年2月、コミュニティファクトリーを設立し代表取締役に就任。2012年9月、ヤフーへ事業売却。2015年5月、メルカリに参画。メルカリグループにて、ソウゾウ代表取締役社長、メルペイ取締役CPOを歴任し、複数の新規事業立ち上げに従事。2019年6月、メルペイ取締役CPOを退任。その後、カンカクを設立し代表取締役に就任。完全キャッシュレスカフェ「KITASANDO COFFEE」「TAILORED CAFE」および、専用モバイルオーダーアプリ「COFFEE App」のほか複数のD2Cブランドを展開中。

ーまず、松本さんが創業された「カンカク」への想いを教えていただけますか?

松本:「テクノロジーとクリエーティブの力で、新しいライフスタイルを創り出す」というミッションを掲げて、完全キャッシュレスのカフェやD2Cのブランドなどを運営しています。空間に関わる事業に取り組みたいと思った理由は、これから世の中を変えていくのが、オフラインの体験だと考えたからです。人の体験はオンラインで変わりましたが、それでもオフラインにいる時間の方が圧倒的に長いですよね。僕は2006年に設立したスタートアップでスマホカメラアプリを中心に、数多くのアプリをプロデュースしていました。会社がクローズするまでに、自社名義でリリースしたアプリの累計ダウンロード数が1億ほどを記録していたのですが、サービスが終了してユーザーのスマホでアンインストールされてしまうと、もうそのあとは誰も覚えていない状況に近いです。一方、リアルな空間は人の記憶に残っていきますよね。オンラインとオフラインを繋ぎ、人々のライフスタイルに刻まれるような仕事をしたいと考えたのがカンカク設立のきっかけです。

ー今回「CHOOSEBASE SHIBUYA」にオープンした「TAILORED CAFE SHIBUYA」の魅力は?

松本:TAILOREDは「テイラーメイド(​​Tailor Made)」に由来する言葉。その日の気分に合った好みの味わいのコーヒー豆を選んでスペシャルティコーヒーを楽しめる、テイラーメイドのようなカフェです。自社焙煎を中心に浅・中・深煎りのコーヒー豆を常時10種類ほどそろえており、専用のモバイルオーダーアプリ「COFFEE App」では、「#さっぱり」「#中南米に行きたい」「#びっくりするほどフルーティ」などのハッシュタグから気分や直感で選べるようにしています。また、最高水準の味わいのスペシャルティコーヒーを安定的に提供することを目的に、米国発の全自動ハンドドリップコーヒーマシン「ポアステディ」も導入しています。手軽に利用できて本格的な味わいを楽しめるコーヒースタンドであるために、必要のない時間や手間をカットできるようなテクノロジーを積極的に活用しています。

 

ーまさにオンラインとオフラインを繋いでいるんですね。お店と聞くとオフラインのイメージが強いですが、そのバランスはどのようにとっているのでしょうか。

松本:人とのコミュニケーションを求められる部分はそのままオフラインで、効率化を進めることができる部分にはテクノロジーをどんどん活用しています。以前いいなと思ったオンラインとオフラインを繋ぐ体験例に、イタリアのミラノで宿泊したホテルがあります。バーカウンターにデジタルチェックインができるディスプレイがあって、僕が操作している間にスタッフさんがウェルカムドリンクを作って提供してくれたんです。そういった体験は記憶に残りますし、ブランドに繋がっていきますよね。

ー「TAILORED CAFE SHIBUYA」の特徴は、どんな部分にあるのでしょうか?

松本:渋谷という立地なので今までより若い年齢層のお客さまがいらっしゃると予想し、その方々に喜んでいただけるようなインテリア設計やメニューを考えました。これまでのTAILORED CAFEは木材と白を基調とした内装でしたが、「TAILORED CAFE SHIBUYA」ではコンクリートやメタルを使い無機質な空間に設計しています。メニューにもあまおうの果汁が詰まった「苺あん」を使った店舗限定のあんバターサンドや「UPBEET!Tokyo」さんのカラフルで可愛いヴィーガン&グルテンフリードーナツを用意しています。この空間を訪れた方に、見た目も味も楽しんでいただけるよう工夫しています。

ーオープンからすでに大人気で、多くのお客さまが来店されていますよね。

松本:私たちの店舗で、列ができるほど多くのお客さまに来店いただけるのは初めてのことで、本当に嬉しい限りです。皆さまに不便なく楽しんでいただけるように、オペレーションもさらに強化していきたいですね。実際にいただいた声や季節感も取り入れながら、もっと楽しんでいただけるように考えている最中です。現在は冬をテーマに新たなメニュー構成を計画しています。

 

ー今回は渋谷公園通りに接する形で「WAKE」というスムージーのお店も出店しています。こちらはどんなブランドなんですか?

松本:オンラインとオフラインが同期しているサービスを考えていた際に、よりライフスタイルに密着したものを作りたいと思ったんです。そこで自宅で健康的に楽しめるものとして、スムージーのブランドを考えました。「WAKE」はミキサーを使わず手軽に楽しめる新感覚の冷凍スムージー。リモートワーク中心の暮らしのなかで、気分を切り替えたいさまざまなシーンに合わせた10種類のスムージーと音声コンテンツ「WAKE RADIO」で、心と体をスイッチできる体験を毎月定額制でお届けしています。ちょうどオンラインショップオープンのタイミングで、「CHOOSEBASE SHIBUYA」の渋谷公園通りに面したスペースにてフレッシュなスムージーを提供する店舗をオープンする運びとなりました。渋谷でお買い物の途中で気軽に「WAKE」をお試しいただき、その後オンラインでも注文いただくことでライフスタイルの一部になれたら嬉しいですね。

ー「CHOOSEBASE SHIBUYA」については、どんな印象をお持ちですか?

松本:よい意味でぶっとんでいますよね(笑)。スタートアップがやるならまだしも、伝統ある百貨店のそごう・西武さんがチャレンジしていることが意義深く、素晴らしいことだなと感じています。特に、空間の作り方に感動しました。ディスプレー、体験、売場、販売、そして在庫管理をアンバンドル(分離)できていますよね。空間に合わせて、ビジネスモデルをイチから構築しているからこそ可能なことです。そこをやりきっているから、面白い空間になるんだと思いましたね。

ー売場ではサステナブルという言葉から着想を得た「TIMELIMIT」というテーマを設定しています。カフェを運営するときに何か意識されていることはありますか?

松本:フードロスの解消やパッケージの脱プラスチックなどは飲食業界で以前から求められていることですよね。私たちもそうした取り組みをこれからも続けます。その上で、大事なのはお客さまの求めているクオリティーとの折り合いをどのようにつけていくか。たとえば、サステナブルだけど美味しいとあまり感じられないものはお客さまに受け入れられにくいですよね。調和できるポイントをなるべく高めていくことが、ブランドとしてのミッションだと考えています。

 

ー生活をする中で私たちは「TIMELIMIT」に向けてどんなことを考え、どんな行動を起こせばよいのでしょう?

松本:購入する側としてできることは、新しいことや面白い取り組みにどんどんトライしていくことだと思います。たとえば、「CHOOSEBASE SHIBUYA」で扱っている下園薩男商店のジビエブランド「FORK」などはお客さまの求めていることとサステナブルであることをバランスよく両立しているブランドだと感じています。そういった商品やブランドは実はすでにあちこちで生まれているので、幅広くさまざまな方に好奇心を持ってトライしていただけたらいいなと思いますね。

ーでは最後に、これから「TAILORED CAFE SHIBUYA」は、どんな存在になってほしいと考えますか?

松本:「CHOOSEBASE SHIBUYA」を目的にお立ち寄りくださるお客さまにとってくつろげる場所になれたら嬉しいですし、「TAILORED CAFE SHIBUYA」自体が目的地になっていけたらとも思います。現在はSNSなどに投稿されている画像を見て来店くださる方が多いのですが、今後はその方々に繰り返しお楽しみいただけるよう、カフェとして本質的な部分を磨いていきたいと思います。

Text:
Maho Kamagami
Edit:
Takahiro Sumita
Photo:
Eichi Tano
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