From Journey to life ー 古性のちの旅とモノ語りVol.2「ROSE LABO」ー
窓から聴こえてくる声が蝉から鈴虫へ、風の匂いは冷たくしっとりと、タンスの奥からそっと長い袖の羽織を取り出すころ、部屋の景色も変わってきた。
がらんとしていた瀬戸内に借りたちいさな部屋は、まるで鳥が自分のための居心地の良い巣をせっせと作るように、お気に入りのお店たちから集めてきた家具たちが賑やかにそろい出す。
照明だとか、家具だとかの様子を一通り見ながら「ああ。わたしはここで生きていくのだなあ」と改めて噛み締めてみたりする。
そんな一連の儀式を繰り返しながら少しずつ、わたしはこの瀬戸内の住人になっていくのだろう。
「東京と瀬戸内で暮らしているのはどちらが心地よいか」という質問をたまにもらうことがある。わたしはどちらの生活もとびきり愛しているし、そこに優越は存在しない。
大人になって一番ラッキーだったことは、自分の好きなものを自分で選びとり、いらないものはあっさりと手放す勇気を持てるようになったことだと思う。
なので「どちらがどう」という感情は存在しないけれど、暮らしは随分と違う。
特に朝がちがう。
瀬戸内での一日の始まりは、太陽と海がすごくそばにある。ふたつがこんなに暮らしに近いだけで自分の中の幸福指数が変わるのには、とても驚いた。
真っ暗だった海に、光が指し、ゆっくりと朝が目を覚ます。
だんだん色が変わっていく海を眺めながら、お気に入りのクッキーと、たっぷりのお茶を持って海の見える丘の上にのぼる。
なぜだか、わたしはおやつの時間よりも朝に甘いものをかじりたくなるから、朝のこの時間が1日の中でもっとも美味しくお菓子を味わうことができる時間だ。
お供は緑茶とか、珈琲とか、その日の気分で連れていくことにしている。
今回この朝の特別な時間を一緒に過ごすことになったのは「ROSE LABO」のローズハーブティー。農薬を一切使用せず育てられた「食べられるバラ」とオーガニックハーブのブレンドティーだ。
蓋をあけた瞬間にふわっと薔薇の香りがあがる。
人工的ではない、薔薇の咲く庭に足を踏み入れたような自然の香り。
口の中に入れると、鼻をぬけて頭の芯にふっと花畑が広がった。
言葉にしてしまうとなんだか、安っぽくなってしまうのが悔しい。
優しい薔薇の香りと瀬戸内の海。この日は少し曇った空からピンクと水色がマーブルになってのぞいていて、心にエネルギーをチャージしてくれる。
瀬戸内で「暮らすこと」を始めて2カ月目。
すっかり閉じ切ってしまった心は、いまだに元のバランスを取り戻せずにいる。
と書いてしまうと何だかどこか病気のように思われてしまうかもしれないけれど、そんな重苦しいものでもなく、だからこそなかなか気づけない。気づかない間に失っていってしまう。
花が美しいこと。
海を見ながらお茶を飲むこと。
朝にもちゃんと色があって、やさしいこと。
クッキーはおやつじゃない時間に食べても良いこと。
そしてそれらが心地よいこと。
閉じ切ってしまった心では掴めないものを取り戻すヒントが、この暮らしには確かにある。
だからこそきちんと輪郭を捉えることをさぼらずに。
明日も、宝箱のようなクッキー缶と、大切に育てられたバラのハーブティーの入ったタンブラーを片手に、わたしはきっと丘をのぼる。
今回紹介したもの: ROSE LABO ローズハーブティー テトラバッグタイプ
バラとハーブの力を穏やかに取り入れ、心も体も美しく健やかに。 農薬を一切使用せず育てた"食べられるバラ"と有機JAS認定のオーガニックハーブをブレンド。 バラの品種は「ルージュロワイヤル」。華やかですがどこか丸みを帯びたフルーティーさをまとう香りが特徴。 バラの香りとハーブのほのかな酸味が感じられる、やさしい風味です。 カフェインレスですので、飲むタイミングを気にせずティータイムをお楽しみいただけます。 テトラ型のティーバッグ入りですので、香りや味を効率的に抽出することができます。
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