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日本工房探訪 vol.1 千葉県・老舗ガラスメーカー「Sghr スガハラ」 年間200トンの廃棄物も製品に変わる、灼熱のガラスづくりの現場のサムネイル

日本工房探訪 vol.1 千葉県・老舗ガラスメーカー「Sghr スガハラ」 年間200トンの廃棄物も製品に変わる、灼熱のガラスづくりの現場

それぞれの街におけるサステナブルなモノづくりの様子を写真家・もろんのんさんが写真と文章でお届け。第1回は千葉県にある老舗ガラスメーカーの「Sghr スガハラ」をご紹介いたします。

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もろんのん/フォトグラファー
もろんのん/フォトグラファー
人物、トラベル、企業の広告撮影などを撮影。雑誌Hanakoでトラベルと、ラグジュアリーホテルの連載をもつ。写真の楽しさや撮影講座などを、全国のセミナーや自身のYouTubeを介して伝える。Instagramで9万超えフォロワー。YouTubeで6万チャンネル登録者数を突破。
日本工房探訪 vol.1 千葉県・老舗ガラスメーカー「Sghr スガハラ」 年間200トンの廃棄物も製品に変わる、灼熱のガラスづくりの現場のサムネイル

「CHOOSEBASE SHIBUYA」に出店いただいているブランドの魅力を現地からお届けする連載企画「日本工房探訪」。それぞれの街におけるサステナブルなモノづくりの様子を写真家・もろんのんさんが写真と文章でお届けします。第一回は千葉県にある老舗ガラスメーカーの菅原工芸硝子から。

千葉県の九十九町にあるSghr スガハラファクトリーショップと工房

九十九町にある老舗のガラスメーカー

1932年に一人のガラス職人から誕生した菅原工芸硝子(Sghr スガハラ)。もともと現在の社長の菅原さんの祖父の代には東京の墨田区あたりのガラスの生産が盛んだった地域で作っていましたが、60年前からより良い環境でということで千葉県の九十九里海岸から5キロくらいの場所に移転しました。春には敷地内にたくさん植えられた桜が見事に咲くそうです。

今回は代表の菅原さんに「Sghr スガハラ」のモノづくりの想いを伺い、九十九里町の工房で実際に職人さんが作られている様子をご案内いただきましたので皆さまに写真と文章によってその魅力をお届けします。

「Sghr スガハラ」工房の様子

今回ご案内いただく、代表取締役社長・菅原裕輔さん

1932年創業の菅原工芸硝子は、当初から一貫してすべて一つ一つを手作りのガラス製造にこだわってきました。1970年代には、自社開発を始め、以来数々の新製品を生み出し続け、現在ではなんと4000種類を超えています。直営店で販売されている数々のガラス製品たちはどれも魅力的で、ついついたくさん欲しくなってしまい目移りしてしまいます…。数多くの素敵なブランドとのコラボ商品があるのも印象的でした。

ガラスの一瞬を捉える

ガラスは直接触ることができない灼熱の液体の状態から、その魅力を引き出すように形作られていきます。炉の中の液状のガラスは1400℃で、ガラスが固まる温度でも600℃という高温。実際に私も工房内で拝見したのですが、何度も温めなおし微調整をしながらガラスを形作っていきます。一つ一つ手作りではあるものの、一つの製品として定められた規格で作るには長年の経験を積む必要があります。

私はガラスと言われたら透明で硬い完成品をイメージしますが、職人の皆さんはむしろこの灼熱の液体の状態の方が馴染み深く、愛おしい瞬間なんだそう。

とろりと溶けた灼熱での液状のガラス

一つ一つ丁寧にガラスと向き合い形が作られていきます

「Sghr スガハラ」のモノづくり

すべてハンドメードで職人が一つずつ手作りをしている「Sghr スガハラ」ですが、最大の特徴はデザインのみ担当するスタッフはおらず、職人自らアイデアを元にデザインを行っている点です。通常はプロダクト作りとなるとデザイナーと技術者が分かれている場合が一般的ですよね。

なぜ職人自ら作っているのかというと、高熱の中で液体のように柔らかいガラスの表情というのは、スケッチブックの絵からではなくガラスに触れながら生まれると考えているから。現場でガラスと向き合っている職人自ら自由にデザインをしてもらっているそうです。

思い思いの自由なデザインを考えてもらい、その試作品たちを一つの部屋に集めて、季節ごとのイベントの前や年に一度の新作発表会に、代表や職人らで意見を交わし合い、レベルアップを図っています。

工房の中心にある大きな灼熱の炉

液体のように柔らかい状態から、硬くなる前の絶妙な間に工具でガラスの形を調整していきます

職人自らデザインをしているとはいえ、どうやって「Sghrらしさ」を共通認識として作っているのかを代表の菅原さんに伺ったところ、職人たちに伝えているのは「高級品やアートクラフトではなく、暮らしのなかで使えて、暮らしをより心地よくするもの」という思いだそうです。

1996年の発表以来、大人気のDUO

上の写真を見てください。心が弾むような、2色のガラスを手作業で重ねたグラスは、シンプルで暮らしに溶け込み、ちょっとした自分へのご褒美や大切な方へのプレゼントなどに選びたいデザインですよね。

「Sghr Recycle」の誕生

今回CHOOSEBASE SHIBUYAでは「TIME LIMIT」をテーマにさまざまなプロダクトを取り扱っています。今回「Sghr スガハラ」さんからは、数あるガラスシリーズの中から「Sghr Recycle」というラインを扱うことになりました。

2020年に誕生した「Sghr Recycle」

突然ですが、質問です。ガラスの原材料ってなんだと思いますか?「ガラスの原材料はガラス」と勘違いされることが多いのですが、原材料は地球の資源である珪砂なんだそうです。

ここ「Sghr スガハラ」では日々ガラスを製作している中で出る、ガラス端材の多くを色別に管理し、 再利用していました。しかしながら、色が混じっているものや不純物が含まれるためにやむを得ず廃棄していた端材が年間200トンくらいあり、その廃棄されていた端材も原料として生まれ変わらせることができないかと、 リサイクルして新しい価値を見出すプロジェクトに取り組んできました。

リサイクルで使われるガラスの材料

意外にもガラスってリサイクルしやすいんです。なぜかというと固体と溶かし直した液体の状態で組成が一緒だから。うまく戻せばそのまま戻るんです。「Sghr Recycle」は、廃棄していたガラスを地球の資源として大切に再利用することを目的に2020年に製品化されたものでした。

リサイクルの特徴は作るたびに製品の色が変わること。その時々の端材の配合などにより、 仕上がる色味が毎回違ったものになるそう。まさに一期一会のリサイクルガラスです。

リサイクルガラスと言われなければわからない綺麗な「Sghr Recycle」

暮らしを豊かに

「Sghr スガハラ」さんからはデザインだけじゃなくて地球の資源であるガラスを大事にすることで、暮らしを豊かにしていくことを大切にしている想いを教えていただきました。印象的だったのは硬くて涼しげなガラスが、灼熱の液体の状態から職人さん一人一人の手によって、丁寧に形作られていく過程です。「Sghr Recycle」は一つずつ色や形が微妙に異なるので、お気に入りの一点を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

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Text&Photo:
もろんのん
Edit:
Takahiro Sumita
Design:
Ayane Sakamoto

 

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もろんのん/フォトグラファー
人物、トラベル、企業の広告撮影などを撮影。雑誌Hanakoでトラベルと、ラグジュアリーホテルの連載をもつ。写真の楽しさや撮影講座などを、全国のセミナーや自身のYouTubeを介して伝える。Instagramで9万超えフォロワー。YouTubeで6万チャンネル登録者数を突破。