「おいしい」千葉訪問記vol.1~素材にこだわるフレンチレストラン「Le Café de Pomme」編~
food edit Chibaでお取り扱いのある、こだわりを持って「おいしい」ものを作る生産者さんのもとを訪ね、そのおいしさのもとを伺う企画第1弾!
今回は、千葉県船橋市宮本、東京湾のすぐそばにあるフレンチレストラン「Le Café de Pomme(ル カフェ ドゥ ポム)」。店名の由来であるじゃがいも(=pomme de terre)をイメージしたライトがテーブルを暖かく照らす店内で、オーナーシェフ松﨑さんに、フランス料理へのこだわり、素材にこだわるフレンチレストランだからこそ作ることのできたコンフィチュールや冷凍料理のおいしさの秘密を伺ってきました。
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船橋でフランス料理を作る理由
船橋市出身の松﨑さんが、現在の場所にフレンチレストランLe Café de Pommeをオープンしたのは19年前の2004年。休日には大型商業施設や競馬場が賑わいを見せ、平日は都内へ通勤・通学する人々のベッドタウンである一方で、すぐそばには東京湾が広がり、山側には野菜、果物、お米を育てる農家さんが点在している船橋。そんな船橋を、松﨑さんは「おもちゃ箱みたいなところ」と表現します。
松﨑さんは、自分の店を持つことを目指し調理師専門学校に通い始めた30歳の頃、料理好きの友人に誘われてレストランに通う中で、素材からおいしさを引き出すフランス料理に魅せられました。
そんな松﨑さんにとって、野菜も、果物も、お魚も、地域の顔の見える生産者さんの元で手に入れられる「おもちゃ箱みたいなところ」である船橋は、フランス料理を作るのにぴったりの場所でした。
松﨑さんの目指すフレンチレストラン
松﨑さんがシェフを目指したきっかけは幼少期の記憶。
親戚皆が集まる食事の場で、食べている人たちはもちろん、台所で作っている人たちも楽しそうだったことが印象的で、事業を始める際に真っ先に"レストラン"が浮かびました。
そんな松﨑さんが目指すのは、作り手もお客様も楽しく過ごせるレストラン。どうしても堅苦しいイメージのあるフランス料理ですが、日本人が毎日懐石料理を食べているわけではないように、フランスにも家庭でカジュアルに食べるフランス料理があると言います。ちょっと特別だけれど気を張らずにおいしいフランス料理を楽しめるLe Café de Pommeの温かい空間は、家族の誕生日に、仕事を頑張ったご褒美に、カジュアルにおいしいフランス料理を楽しめる場として地元の人々に愛される人気店になりました。
Le Café de Pommeの加工品と料理
Le Café de Pommeの加工品は、お肉料理に添えていたコンフィチュールから始まりました。品質は確かでも大きさや形で贈答用として出荷できないものを中心に仕入れた果物から作られるコンフィチュールは、その日の果物の水分量や味の特徴に合わせて、煮る時間や配分を変えて作られています。
コンフィチュールや焼き菓子と同じく加工品として提供しているのは、「粒すけのミートドリア」や「水郷赤鶏のピペラード煮込み」などの冷凍の食品。コロナ禍で学校給食が無くなり乳製品の消費量が減少した際に作り始めた粒すけのミートドリアは、同じくコロナ禍でレストランとしては営業できなくても、おいしいものを届けようと試みたからこそ生まれた一品だそう。冷凍の食品と言っても、加工の工程はお店で提供しているものと同じく、包丁で野菜や肉をカットし、鍋やフライパンで煮たり焼いたり、素材の味を引き出すことを大切に作られています。
お話を伺っている中でも、「加工」ではなく「料理」という単語を選んでいた松﨑さん。ひとつひとつが全く同じではない果物と向き合ってできたコンフィチュールも、人の手で調理した冷凍の食品も、大きな工場でなくレストランのキッチンで、シェフとスタッフさん達の朗らかな空気の中で料理されているからこそ、素材の味を引き出すことを大切にするLe Café de Pommeの美味しさをお家でも楽しめるものに仕上がっているのだと分かりました。
今回の取材で印象的だったのは、例えばお店の壁にかけてあるイラスト入りの絵葉書について伺った際に「お店の内装を手がけてくださった方が……」、漁港との関わりを伺った際に「船橋漁港の方が……」と、お店やおいしいものを紹介する際に、背景にいらっしゃる作り手のことを紹介する松﨑さん。人や人との繋がりを大切にする松﨑さんだからこそ、素材を大切にするフランス料理をおいしく作ることが出来るのかなあ、と考えさせられました。
松﨑さんや、キッチンの朗らかなスタッフさんの作ったお料理、是非一度ご賞味ください。
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●店名: Le Café de Pomme(ルカフェドゥポム)
●所在地: 千葉県船橋市宮本3-9-1